木目の出方や色味が、湿度や天気に左右されることもあり、技術も未熟なこともあるので摺り増しに難しさを感じます。そのため、時間をあけず一度にエディションを摺りきることが理想です。お客様が最初に作品から受けとってくださったイメージから遠のかないよう、それが、私の一番の課題です。
そう話す片平さん。
こちらの作品のとおり、ささやかで儚げだけれども、モチーフは自然や日常をのびのびとまたあまりない視点で構成されています。色のトーンも階層差がなくそのギャップのなさに、心穏やかになるのかもしれません。
ご本人は、子育てが中心にある生活の中、しばらく版画から遠のいていたこともあったそうですが、きっと今の生活が、制作活動によい影響をもたらすと感じます。それは片平さんの物腰や、版画への真剣な姿勢がダイレクトに反映されているように思うからです。12月の版画リレー展覧会では、2番目の個展を展開してくれます。ご期待ください。
片平 菜摘子 Natsuko Katahira
<略歴>
1983年 鹿児島生まれ
2006年 女子美術大学 卒業(卒展買い上げ賞)
2008年 女子美術大学大学院美術研究科版画研究領域修士課程 修了
神奈川県在住
3人の版画 リレー展覧会「おわりとはじまり」
中村美穂・片平菜摘子・宮崎文子
2024年12月07日(土)〜12月25日(日)
中村美穂 2024年12月7日(土)-10日(火)
片平菜摘子 2024年12月13日(金)-16日(月)
宮崎文子 2024年12月19日(木)-22日(日)
合同展 2024年12月24日(火)・25日(水)
時間 12:00−17:30 (最終日のみ11:00-15:00)
休廊 2024年12月11日(水)・12日(木)・17日(火)・18日(水)・23日(月) を予定