木版画家である中村美穂。風景木版画作品が多く、構造物や日常の風景を映し出す彼女の作品は花や木々といった有機的なものを表現している作品とは一線を画しています。BIOMEが気になっていたのはこの作品。木版画でこのモチーフをよく選んだなーと。
中村さんとはメールだけのやりとりでしたが、相手の心を静かに汲み取り、相手が理解できていなくてもご自身の知っていることを謙虚に、淡々とやってのける仕事の仕方が美しい人だなという印象でした。
彼女の眼差しは、無機質な構造物や景色に対してもそんな暖かな気遣いや、想いを感じさせる優しさを感じます。まっすぐ丁寧に描く線もあれば、傍に存在するちょっとした有機的なものをおりませながら、日常見る景色に、あたたい息吹を与えるかのようなのです。
12月は三人の版画家によるリレー展覧会となり、中村さんがその第一走者となります。
2024年のBIOMEは例年より版画作品を多くご紹介すると同時に、その楽しみ方について学んできました。今年最後となる「おわりとはじまり」版画三人のリレー展覧会。
まずは個展としての楽しさを味わってください。
中村 美穂 Miho Nakamura
<略歴>
1991年 埼玉県生まれ
2009年 女子美術大学付属高等学校 卒業
2013年 女子美術大学芸術学部絵画学科洋画専攻版画コース 卒業
2015年 女子美術大学大学院美術研究科美術専攻版画研究領域 修了
2018年 しべつアーティスト・イン・レジデンス招聘/北海道士別市
2020〜2023年 武蔵野美術大学版画領域専攻
非常勤講師現在、日本版画協会 会員女子美術大学美術教育専攻 非常勤講師(2018〜)女子美術大学洋画専攻版画コース 非常勤講師(2023〜)
3人の版画 リレー展覧会「おわりとはじまり」
中村美穂・片平菜摘子・宮崎文子
2024年12月07日(土)〜12月25日(日)
中村美穂 2024年12月7日(土)-10日(火)
片平菜摘子 2024年12月13日(金)-16日(月)
宮崎文子 2024年12月19日(木)-22日(日)
合同展 2024年12月24日(火)・25日(水)
時間 12:00−17:30 (最終日のみ11:00-15:00)
休廊 2024年12月11日(水)・12日(木)・17日(火)・18日(水)・23日(月) を予定