洋燭台は、お姫様ストーリーなどで登場するイメージがありますが、和の燭台は仏具のものくらいでしょうか。
木戸さんが「嗜む」個展で挑んだのは、その燭台。
木戸さんは金沢市で活動されています。この能登地震での大きな被害は免れたと言います。しかし、仕事仲間やお取引先は甚大な被害を受けたところが数多。
七尾和ろうそくを提供される髙澤ろうそく店もその一つだそうです。
店舗は全壊であるものの、復活すべく努められています。今回は、こちらの菜の花ろうそくという菜の花色が目にも鮮やかな蝋燭を、木戸さんが携えてやってきてくれました。
和ろうそくに実際火を灯してくれています。芯がしっかりとしているので、火が太く安定しているのです。
お仏壇以外で、家庭内で火を灯すことは少ないと思うのですがいかがでしょう。
匂いも少なく綺麗に消えてゆく様は美しいものです。
また、火を灯さなくてもお気に入りのものを「立てる」というそんなオブジェクトとしても見応えは十分です。
アーティストが提案してした作品を活かすも殺すも、意外に、手に入れたその人の暮らしが大いに反映するものではないかと思うBIOMEです。
灯りをどのように見せようかと考えた木戸さんの新作は燭台。
手びねりでなんとかやってみたいとトライし、錘(おもり)の部分も火に負けないものをと、バーナーワークを別の作家にお願いし作ってもらったというガラス製の錘もしゃれています。(そのアクションも素敵)