アーティストでありながら、ギャラリー視点、企画視点で作品たちを観る力にも長けている人。その経験は丸みを帯びた柔らかなコミュニーションとして顕れるのです。ですから、その作戦(いや、そうではない)に依存してしまうと、すべて知識や実績として吸収していきます。
平丸陽子さんと知り合うに至ったのは、BIOMEで個展を果たしてくれたあるアーティストからの縁。
人のつながりというのは、良い縁は努めることで、最高の機会に恵まれる可能性が高い。そして、そういう人材は、本人は意図せず、関係者にシナジーを醸し出すのです。
*太字は平丸陽子談
・絵画の制作はもちろん、ショーの企画にも興味を持つようになったと聞いていますが。
作品は、作品のみ(画面のみ)でも魅力的なものですが、展示される空間によって、他の作品と呼応してまた違う見え方・印象を持つことにとても興味を持っています。
・ご自身の技術的な面について教えてください。
特別な技法や素材を使わずに描いています。
私は基本的に油絵具を使い描いていますが、キャンバス(最近は綿布が主です)と筆とオイルと絵具(オイルパステル含む)のみで描いています。そして、いろいろな色を何十層と描き重ねています。
描き始める前に、作品のイメージ・構想を練り、そこから逆算して下地の色、途中の何十層の中間にどのような色彩で描くかを考えてから描き重ねていきます。
技法や技術には、特別なことは何もしていません。
・描くことは、アート、マーケティング、キャリア、様々な観点から、過去、現在、未来をどのようにお考えになりますか。
マーケティングや立派なキャリアという点では、前線ではないと思っています。また今後も前線に立つことを目的に、描くことをすることはないと思っています。自分の中で、良い作品を制作することを常としています。
昨日7月13日(土)からスタートした
個展「やわらかな風景」。
やわらかな、が持つ企図を、皆様なりに楽しんでいただけることを期待します。
7月14日(日)、27日(土)、28日(日)、平丸さんが在廊し、作品についても丁寧に
教えてくれます。ぜひお立ち寄りください。