遠方から在廊されるアーティストには、できるだけ神戸の街を巡っていただきたいとお勧めしています。草加市からお越しくださった中村さん。日帰りにもかかわらず、ご家族を伴っていらっしゃったので、ぜひとある場所をご紹介しました。
その在廊の時間帯に、タイミングよくお越しいただいたお客様は、ご自身も版画をされる方で、過去に中村さんの作品を購入されたこともある方でした。BIOMEとしても大変うれしい出来事です。そのため、中村さんの在廊を機に「この作品はどのように作られたのですか?」「どんな紙を使っているのですか?」といった話題で会話が大いに盛り上がりました。
しかし、耳を傾けていると、中村さんの物腰やお声は、それはもう優しく穏やかで、とても控えめなお話の仕方をされるのです。思わず、神戸探索をお勧めしたことを後悔しました。「もっといろいろ質問したいことや伺いたいことがあったのではないか」と思わずにはいられませんでした。
インタビューの中で、
作品制作では、モチーフにドラマチックな演出を加えすぎないよう気をつけています。ただし、見たものをそのままなぞるだけではなく、観る人が自然に作品の中に入り込めるよう、構図や色味を工夫しています。(中村美穂)
語っています。
この言葉はとても興味深いものでした。なぜなら、中村さんの切り取る構図そのものがすでにインパクトがあり、心に残る風景だからです。
田園や田畑、山といった牧歌的な日本のモチーフがほとんど見られない点も、十分ドラマチックに映ります。例えば、三角コーン、タワークレーン、公園と思われる場所の噴水といった、田舎では見られない風景など。
あんなにおっとりとして穏やかな印象の中村さんが、小田舎全く異なる場所で生き、その心象風景を育まれてきたのだと思うと、不思議でとても興味深く感じるのです。
大きなサイズの作品が魅力的です。必見かと。
アーティストにもっと近づくインタビュー Knowing More About・・・
ただいま、中村美穂さんをご紹介しています。
ぜひご一読ください。(上記画像をクリックしてください)