福岡を活動拠点にする中島真由美さん。立体作品も絵画も手がけます。Instagramもいつもスマートなのですが、今回お借りした画像もすばらしくメッセージもそのままご紹介させていただきます。
〜Voice of the wind〜 私は元来、旅をする人間ではありませんが、
さらにここ3年は外出も減りアトリエに引きこもる生活が続いています。
そんな中、毎年1、2度訪れるのが阿蘇山(熊本県)と九重連山(大分県)にまたがる阿蘇くじゅう国立公園です。私の住む福岡市から車で1時間ほどですが、そこに広がる「タデ原湿原」内に敷かれた木道を歩くと、とてつもなく遠くに来た気持ちになります。
春は「野焼き」によって、枯れた草木は焼きはらわれ、湿原は茶褐色になります。その後、夏から秋にかけ、湿原の植物は再び花を咲かせ、種子をつけます。
世間がどうあろうと、植物たちは逞しく繰り返します。
そしてそこに吹く風は、遮るものはなく、まっすぐ、うんと遠くまで流れていき、その風の心地よさに身を委ねていると自分自身も大冒険をしている錯覚に陥るのです。
最近の作品には「風」をテーマにしたものが多くなってきていますが、私の描く「風」は澱んだ空気を連れ去ってくれる逞しい風です。
そんな絵を描いていると、自分も風のように軽々と旅をしているように感じます。
(Mayumi Nakashima)
中島 真由美 絵画個展 「Voice of the wind」
2022年3月10日(木)〜3月15日(火)
12:00−17:30