BIOME入って左手の壁面。この季節らしい胸が空くような作品たち。絹本と呼ばれる絹地にのせているからこその表情、淡い色彩。むらいさんに醍醐味を教えてもらいました。日本画の新たな可能性を感じずにはいられません。
(むらいゆうこ解説)
「未明」「Angels」
白群青(びゃくぐんじょう)を、全体に何度か重ねています。絹本と白群青の相性は抜群。紙ではこの透明な青は出せないのです。
「緑雨」
紫陽花の白は主に胡粉。一枚ごと、薄い上澄みを何十回と重ねました。時に天然の白緑青(びゃくろくしょう)をかけて、冴えていながらも落ち着いた緑色を表しました。
「陽炎」
金箔を砂子にして全体に振っています。
「静寂」
青白い天然のトルコ石絵具の下に銀箔を重ねることで、より青白さを強めました。蓮の花弁には、天然珊瑚をのせています。鮮やかなコーラルピンクですが、柔らかく馴染むのでやさしさも感じさせます。
「三日月通信」
光る星は、一部テンペラのミッショーネという技法で金箔や銀箔を貼っています。日本画の金泥を使うより輝きが強いのです。
みつけられましたか。