モチーフの特徴は、不思議な容姿をもつものが登場することと、悲哀とも極楽とも思える愛らしい草花たち。
ご来廊のゲストにたださんがお話しされた内容を、記憶の範囲でご紹介しましょう。
中島敦の短編小説で、『山月記』。多くの方が記憶に残している作品ではないでしょうか。
高名な詩人になるという夢にやぶれ、虎へと化けてしまった李徴(りちょう)という男が、その業を友人の袁傪(えんさん)に語る、シンプルながら辛辣で生き物の悟りの悲しさを感じさせるストーリーですね。
「臆病な自尊心、尊大な羞恥心、またそれゆえに切磋琢磨をしなかった怠惰のせい虎へと化身し、自然界の獣として孤独に生きてゆかざるをえない部分に共感しつつも、果たして私はそういう気持ちをそれだけで昇華・消化できるのだろうか」と、たださんは語られていたように思います。
あまりにも、今の自分の心に沁みるお話しで、ゲストを横におきながら、深く深く堕ちてゆく自分を感じたのでした(そのあとはすぐ浮上します)。
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ただあやの個展
そこに沈む Deep sinking, Deep thinking
2023年8月13日(日)まで
最終日は12:30-15:30となります。
お待ちいたしております。