「一瞬を永遠にする」というテーマで制作をしている田中陽子さん。陶器は長い歴史をたどって、今や世界に誇る焼き物・器ではありますが、何かを入れる、水が漏れないようにする、割れにくいようにするという実用的な目標設定がなされて作られてきたものです。
田中さんの華シリーズとして作られた造形美としての陶。花弁を一枚一枚薄く伸ばして固定し焼成してゆくのはさぞかし神経を使うと思われます。
何より、テーマとしているその言葉から、田中さんが土に向けた想いや実現した形が、実用のための目標ではないことが、むしろとても重く、そして気が遠くなるような目標のような気がするのです。たからもの展では、華シリーズの出展が期待できるのかわからないのですが、大切にされているテーマをとあわせ、どんな作品がやってくるのか待ち侘びましょう。
田中陽子 Yoko Tanaka
1992年
石川県金沢市生まれ
2015年
金沢美術工芸大学 工芸学部工芸科 卒業
2017 年
金沢美術工芸大学大学院美術工芸研究科 修士課程修了
2020年
金沢卯辰山工芸工房 修了
現在
茨城県で制作
田中さんのInstagramより