季節問わず、木と人を含む動物が描かれた作品たち。「木々、人々」のタイトルはどこからやってきたのか。
いつもそこにいる人々、いつもそこに立っている木々。
でも、ある日、なにかのことで、みんなあっけなく消えるかもしれない。
そんな心細い気持ちが、常にどこかにあります。
いつか失われていくものたちを、自分の心の眼を通して記憶にとどめておくために、
絵を描いているのかもしれません。(しんよんひ)
日本は島国で、列島中心部に山が連なっています。木工や仏師から伺うと、木を崇め敬い、ともに暮らしてきた動物の中に人間もいます。
この作品にもはじめ度肝を抜かれたのですが、死んでしまった少女とウサギが、自分たちの亡骸を眺めています。木は、ふたりの墓標ですと教えてくれました。木はヒトガタを示すものとしても日本人には切ってもきれないそんなものだったのですね。
硬く揺るぎないものにもみえ、ときに人のようにも見えるよんひさんの描く木。ぜひ最終日までに原画をご堪能いただければと思います。いよいよ21日(日)まで。