初日から、家族で在廊を果たしてくれた遠藤萌さん。第一子はまだゼロ歳にも関わらず、母の仕事の様子がうれしいのか、また励ましてくれているのか、まだ言葉にならない言葉をあぶあぶあぶと話しながら、我々を見守ってくれていました。
この個展の間、遠藤さん自身のことというより、木版画作品をみながら浮かんだことを調べながら整理するなどしたブログでした。初めて、東京でお出会いしたときに「もう一度木版画であるべき原点に帰り、摺りもしっかりとやりたいんです」と話した遠藤さん。彼女のエディションは10枚前後かと思いますが、その場でしっかりと摺りきるスタイルです。
下書きをし、彫り、何色かのパレットを考え、多色で摺る。力を込めて、ときに柔らかくときに目を光らせて端の方、利き手ではないほうなど目と心を配る。
それを何枚も繰り返すわけです。
版画は分業と言われますが、今のアーティストはご自身でやりきることがほとんどではないでしょうか。その分愛着やこだわりが多い、のに、遠藤さんの柔らかさと優しさが織りなす木版画は、その極みが表現されたものかと思います。
さまざまなメディアをみて、ぜひ見たくなったというこの個展は、秋めいた空気の中好評をいただきました。日本人は木版画が好きなんだなというのも前向きに実感いたしました。
これから、第二ステージを迎える遠藤さん。仕事にプライベートにどんな展開があるのか、とても楽しみなことです。遠藤 萌さん、そしてご家族、ゲストのみなさん、どうもありがとうございました。そして、今後の活躍に期待いたしましょう。