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栞のこと

ご案内している四月の展覧会は、豪華なメンバーが揃った漆作品をご紹介します。漆の世界を立ち入るには、まだ時期尚早と思っていたのが本音です。

漆は、その工程や材料の希少性、施す技術、納められてきた歴史などからも、機能面よりも、その豪華さや美しさで日常で用いるには、現代に沿わないと思われがち。まさに、ハレの日のもの。

どうやって、漆作品のアプローチをしようかと考えていました。



手元にあった楠で作られた木の栞。紙の書籍は使わない、栞などさらに使わない時代に、何か新鮮な気持ちでした。


何かを継続する際に、マイルストーンを置いて、計画的にこなしてゆくための目標や目印とするのとは異なり、任意に継続し、時に違うものを参照したり、時に異なる媒体を交えたり、あるいはマーカーを引く代わりに重要なところを記録、記憶するための場合だったり。思えば栞とは、大切な役割を担うもの。


願わくば、ゆったりと時間が流れる中で用いるものとして、木の指しであれば漆を施すこともできる。身近に使える、手頃なアイテムとなるかもしれないと思い立ち、漆作家4人に共通アイテムとして、ご提案いたしました。


八代淳子さんは、そのご提案の返信に

「以前、イベントに参加いただいたお客様へとして、栞を検討したことがありましたがその際は実現には至らず、今回巡り巡って制作する時がきたのだなーと感じております。楽しい挑戦になりそうです」

と好意的に受け入れいただきました。

4人こぞっての共通アイテムである栞。

漆作家が何を思い、ご提案くださるのか今からとても楽しな展覧会です。


- 4月のKanjiru(art)展覧会 -

漆に向き合う人たち 4人展

浅野絵莉・黒木紗世・田中若葉・八代淳子

「たわめる草木のしおりに」

2024年4月13日sat−28日sun

12:00-17:30

最終日は11:00−15:00

休廊は水曜・木曜





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