赤絵の器は、華があります。ですから多くのアーティストが赤絵を手がけてきた歴史があありますが、手描きで繊細な赤絵付けができる人手は、実際には少なくなっている傾向だとのことです。
種田真紀さんの赤絵模様は古典的でも、洋風でも少し違う。まさに固有。白と赤のコントラストが精緻に織りなす世界。そもすれば、白磁の部分を操っているかのようです。赤絵の網目に獲れた蟹がコミカルに描かれていたりするんです。
ご訪問したのは京都五条にある京都陶磁器会館。ちょうどデモンストレーション中に足を踏み入れました。大変集中力を要するであろうあの精緻な線を、人々が通りすがる前でひたすら右肩から動いている(ちなみに水指はペットボトルのキャップ)。そして、器のことだけではなく、絵画やそれ以外のアーティストについても大変知見がおありで、BIOMEがご相談するほどでした。器はもちろん、創作が根っからお好きなんだろうな、そして大胆で揺るぎがない想いから、不思議な落ち着きを醸し出される人なんだろうなと結論づけました。
ちなみに、Instagramにいつもの赤絵が、他の色絵になったのを見つけびっくり。お伺いすると「いやね、失敗の結果、これがなかなか悪くないななんて思ってるんですよ」、只者ではない。わはは。黒だのロイヤルブルーのさらに濃い色だの。おとぼけでもおおらかなわけでもない。確たる技術と知識に裏づけされた骨太な種田さんの赤絵技を、BIOMEでとくとお楽しみください。
https://www.instagram.com/makioida/ 種田真紀さんのオフィシャルInstagram