木下めいこさんは、この展覧会の約1年前に「こんにちは〜」とBIOMEをほぼ唐突に近い形でお越しくださいました。
彼女は、学生時代に感動した京都の杉戸絵に影響を受けたといい、主に杉板に絹を貼った技法で大作の日本画を制作しています。鳩居堂、伊東屋、Loftなど、皆さんもよくご存知のショップで販売しているカードの原画制作なども手がけています。
杉戸絵をギャラリーで観てみたいと思ったのがきっかけでしたが、今回リレー展としてご覧いただけること。想像に難くなく、作品には木目がふっと浮かび上がっています。しかし、気づくとその木目が消えて見えなくなる時もあるのです。
木下さんにも質問を投げかけています。
ーあなたが携わる日本画について、浅く広く、深く鋭くご紹介ください。
これこそ日本画の定義!と言うものはあるようで無い気がします。
新しい絵画様式が外国から入って来る度に日本にそれまでにあった絵画表現を「大和絵」「日本画」などと名前をつけて区別してきました。現代において様々な絵画や新しい表現が輸入され国内に溢れ、もはや区別する事が難しい時代です。
「膠を接着剤として天然の鉱物などを砕いた粒子のある絵具で描く絵」である事は大きな魅力ではあるけれど、それだけが日本画では無いと思います。日本という言葉から感じたり思い浮かべるもの、その印象や精神を表現したりする絵画かと思います。日本画の画材を使って描いた絵と「日本画」は違うものの様に感じています。
色々な画材や技法で制作する事が好きで、「これ日本画なの?」と良く言われますが、私はあえて日本画と言います。国の名前のついた絵画なんてそれだけで特別で何か凄いパワーを感じませんか?
ーモチーフや題材は、どのような時に、どのように浮かびますか
何か面白い事はないかな?と常に思っていると、不思議と今の自分にピッタリ来るものに出会えます!
ー日本画、というワーディングについて、何かひとこと。
私はとても好きです!
こんなふうにものすごくフランク。
初めてお会いした時もまるで初めてではなく旧知かと勘違いするほどでした。
なかなか杉戸絵を鑑賞できる機会もないものです。
ぜひ、ご期待いただきたく思います。
木下めいこ website
木下めいこさんのパートは、
「楚なり 半透明な」
2023年12月14日(木)正午から。