むらいゆうこさんの作品には、
明確に所謂日本画と言われる花鳥風月をあしらった美しく繊細な作品と、
まるでアクリルで描いたような、現代の若い人物をポップに或いはポエティックに描いた作品と。
その表情や、風景には、むらいさん独特の視線が備わった、日本画っぽくない、と思わず呟いてしまう、それはそれは稀有な表現がなされた作品です。
むらいさんは、2021年、MANABU(edu)を「水干絵具MANABU」として大変実験的な試みをしてくださった人物。
アーティストであるご本人が思うより、目線をもっともっと低く、絵に接することがない人に向けて、というリクエストに、「そもそも日本画の絵具って知らないね」ということで水干絵具を選んでくださいました。
私たちは、豊富な色が揃った色彩絵の具が、ラミネートチューブからにゅっと出てくる絵具がポピュラーなのではないでしょうか。
それを、指の温度で柔らかく練りながら作り上げていく日本画材のとしての絵具を作るのは、その後に知ったゲストからもとても興味を持って受け容れられました。
さて、数年経たむらいさん、今回はどんな作品を持ち込んでくれるのでしょうか。
むらいゆうこ Yuko Murai
1975 年 東京都生まれ
1997 年 筑波大学 芸術専門学群
日本画専攻卒業
1999 年 東京学芸大学大学院
教育学研究科
美術教育日本画コース修了
・よみうりカルチャー
「美しさと華やかさ テンペラ画を描く」
講師
・現代童画会会友