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堂前守人④ はこだて工芸舎

2019年1月末。その冬は雪も少なく、初めて函館空港に降り立ったけれど、かつて北海道で経験した極寒感がありませんでした。空港から車で15分ほど海岸沿いに走り十字街駅を目指すと旧梅津商店を利用したはこだて工芸舎が見つかります。

かつて商店での受付であろうスペースは、雪国らしく二重玄関でもあり、棚にはおなじみの堂前鍋がどん!どん!颯爽と並んでいました。


初めてお目に掛かる堂前さん。薪ストーブはフル稼働ですよと早速ご案内いただきます。あくまで静かでジェントル。はこだて工芸舎の生い立ちはぜひホームページでご覧いただき、函館に行かれる際にはお立ち寄りになってみてください。

店内の印象は木造が活かされ、薪ストーブのいい匂い、奥行きのある空間にリフォームされたひとつひとつにおもしろいエピソードがありそうで、堂前さんが実は冒険人間だろうと想像してにんまりしてしまいます。梅津商店時代から活躍していたというびっくりするような大きな時計に金庫も印象的。


二階にあげていただくと、かつて重要な商談や接客がなされたであろう洋間や難しそうな書物、額装。あらためて一階に戻ると静謐な畳の間に茶室が仕立てられています。「仕方ないのでお茶は習い始めましたよ」と笑う堂前さん。

もちろん、できあがったばかりの庭を見渡せるカフェで一服後、アトリエも拝見しましたが広々した空間のそこらじゅうにある花・・・の器。そしてこれまたご自身で枠取りされた窓からもお庭が。


いくら、写真や言葉でお伝えしても伝わらないもの。やっぱりそれは掌の中で野花がたくさん散りばめられた器たちがなじむ、唇にあたる丸い感触。たぶん、あまり経験したことのない感覚だと思いますよ。

函館に伺ってこそ、野花を愛で、生活に取り入れ、器も日常で使えるしっかりしたものをというコンセプトの一部を垣間見られたような気がします。


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