季節の慣用句だからとタイトルにしたのではないのです。
馬がしなやかにのびやかに、毅然と走る姿をイメージしたのがこのお二人の企画を考えているときに頭を浮かびました。
尾崎和美さんとは渡仏される前にお出会いしました。帰国後はなかなかお目にかかる機会がありませんでしたがこの展覧会に向けて、お話したとき心に残ったのが、「複製が目的の技術である版画だけれども、一度切りに摺った美にも近頃気になっている」という言葉。
印刷技術は、システム化されさまざまな情報が同じ形式を用いて広めることができるようになった大きな文化である前提で、放った言葉。もっと詳しく聞きたい...
さて、もともと、不思議なモチーフが多く用いられている尾崎和美作品ですが、今回、さまざまなラインナップがご覧いただけます。
一期一会の木版画作品については、日を追ってお伝えしましょう。
川上真子さんは、青い絵を磁器に付けている。彼女は美術学校で学んだのではなく、もともとは一般企業に働いていた経歴を持つ。絵付の世界へはもともと鑑賞する側で興味を持っていた山本長左氏の下へ飛び込んだのだ。
山本氏もおもしろがってくれたといいます。
川上さんの作品を画像越しに拝見したときには、繊細で緻密というより、線の勢いのよさやフレキシブルな筆の動きを感じました。
BIOMEに寄せられた作品は、見れば見るほど引き込まれていくモチーフが多いのですが、それは歴史的な風俗や、縁起を大切にしてきた日本の風習などを調べておられる成果。
そこに、川上さんの大胆な筆使いが生気に満ちているのです。
念願のカレー皿は、蛸。
そして大皿は農耕図。
間違えてはいけません。ワイルドな作風なわけではないのです、ただ細やかな線を重ならない様に描いているというわけではない、とお伝えしたいのです。ぜひ現物を。
尾崎和美と川上真子の二人展
月日:2022年11月5日(土)~13日(日)
時間:変則的です。こ注意ください。
・5 (土)、6(日)、12(土)は、 11:00-16:30
・13(日)最終日は、 l l :00-l 5:00
・それ以外は、 l3:00-l 8:00
休廊:水曜日