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Knowing More About
写真とガラスの二人展
「にぶくひかる -Dull and Glowing-」
& 佐藤 幸恵
2025年2月22日(土)から3月9日(日)まで、「写真とガラスの二人展 内田 亜里 と佐藤 幸恵 写真とガラスの二人展 にぶくひかる -Dull and Glowing-」が開催されます。
佐藤氏に、二人展への想いや作品などについてお話を伺いました。展示会と併せて、ぜひおたのしみください。
なお本ページにてご紹介する作品名については割愛させていただいております。またご紹介予定以外の作品画像の掲載となる場合がございます。予めご了承のほどお願いいたします。
(写真撮影:いしかわみちこ)
「たからもの for おくりもの 2022」以来のBIOME Kobeでの展示会かと思います。
今回は1アーティスト1作品ではなく、二人展の展示会となります。「にぶくひかる – Dull and Glowing-」へ参加の決め手についてお教えください。
2022年の「たからもの for おくりもの」では別会場での展示だったので、今のBIOME Kobeさんの場所で展示をさせていただくのは初めてです。以前、神戸に来た際にこちらにお邪魔させていただき、ぽつんと別世界のように存在している空間だなと思いました。
この空間の中で自分の作品を置いてみたいと思ったことと、内田さんの写真とどう影響し合うのかを見てみたいと思い、今回参加させていただくことにしました。
タイトルの「にぶくひかる – Dull and Glowing-」については、どう思われましたか?また、内田 亜里氏の作品についてご感想などお聞かせください。
冬の光のようなタイトルだなと、まず初めに思いました。また、それぞれの作品を言い表してくれているようにも感じました。
二人展やグループ展をするときは、ご一緒するアーティストの方の作品を見るのを毎回とても楽しみにしています。写真技法はほとんど分からないのですが、内田さんの写す風景は時間や記憶の像が何重にも沈んでいるようで、惹き込まれました。
内田さんのウェブサイトを見ると、和紙に膠や箔などを使用しているとのことで、パソコンの画面越しでは分からない質感や実際の写真の表情を見てみたいと思っていました。今回、ご本人にお会いできるのはもちろん、作品を実際に見られることをとても楽しみにしています。
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過去の展示会のプロフィールには、鋳造ガラス作家とあります。鋳造ガラスについてお教えください。また、はじめられた理由などについても、お聞かせください。
鋳造ガラスは、型の中に溶けたガラスを流し込んで成形する技法です。複雑な形や作り込んだ形を、そのままガラスに起こすことができます。また、表面は石膏型に触れているため、しっとりとした氷砂糖のような質感になります。
ガラスに興味を持ち始めたのは、高校生の時にルネ・ラリックの展覧会を見たことがきっかけです。それまでガラスについては、食器や窓など生活に関わるものとしてのイメージしか持っていなかったので、彫刻的な表現ができることに魅力を感じました。
BIOME Kobeのほうにお送りいただいた作品画像は、佐藤さんのウェブサイトにありました「気色/Scene」シリーズと「残片/Fragments」シリーズからのものかと思われますが、二人展で展示予定の作品は上記シリーズが中心となりますでしょうか? もし、他のシリーズからの作品もご検討されていましたら、お教えください。
二つのシリーズを中心に出す予定です。「残片」は、化石や壊れた自作品の欠片をガラスと繋いだ作品で、内田さんの作品と呼応する部分もあるのかなと思います。
他には、ここ数年作り始めた器のシリーズ(プレートやグラスなど20点ほど)も少し出展します。自分の作品の延長として、曖昧で綺麗ではない形を意識して作っています。